小学生のゲームは平日何分まで?学年別の目安と夫婦の合意方法
WHOガイドラインと内閣府の調査データをもとに、小学校低〜高学年の平日ゲーム時間の目安を学年別に整理。夫婦で同じ基準を持つための具体的な合意手順も解説します。
2026-05-02
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子どものゲーム時間、夫婦でルールが割れる5つの原因と解決策「平日は30分まで」と決めたのに、ゲームを始めると気づいたら1時間以上経っている——多くの家庭で繰り返されるこのパターンには、いくつかの共通した原因があります。そしてもう一つの問題として、夫婦間で「何分なら適切か」という認識がそろっていないことが挙げられます。
内閣府の2023年度調査によると、小学生の平日ゲームプレイ時間の平均は約60分。一方でWHO(世界保健機関)が推奨するスクリーンタイム上限は娯楽目的で1日2時間。数字上は矛盾しないように見えますが、「ゲーム以外のスクリーンタイム(YouTube・動画等)を含めると既に2時間を超えている」という家庭も少なくありません。
この記事では、学年別のゲーム時間の目安と、夫婦で納得感のある基準を作るための手順を解説します。ふたりで同じ数字を持てれば、子どもへの説明も一本化できます。
WHOと日本小児科学会のガイドラインを正しく理解する
「2時間以内」が意味すること
WHO(2019年)の推奨は「5〜17歳の座位スクリーンタイムを娯楽目的で1日2時間以内」です。重要なのは「娯楽目的」という条件で、学習・宿題・読書のためのスクリーン利用は含まれていません。
日本小児科学会はさらに具体的に「ゲームは1日1時間以内」を目安として提示しています。これはゲーム単体の推奨値で、残りの1時間を動画やSNSなど他の娯楽スクリーンに使うことを前提としています。多くの家庭でゲーム後にYouTubeを見るという流れが定着していることを考えると、「ゲーム60分+動画60分=120分(WHO上限)」を基本の枠組みとして考えると整理しやすくなります。
年齢によって推奨が変わる
| 年齢 | ガイドライン | |------|-----------| | 2歳以下 | ビデオ通話を除きスクリーンタイム推奨なし(WHO) | | 3〜4歳 | 1日1時間以内(WHO・日本小児科学会) | | 5〜17歳 | 娯楽目的スクリーンタイム1日2時間以内(WHO) | | 小学生 | ゲーム単体で1時間以内が目安(日本小児科学会) |
出典:WHO「Guidelines on physical activity, sedentary behaviour and sleep for children under 5 years of age」(2019)、日本小児科学会「子どもとメディア」(2022年改訂)
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小学生の実態データ
平均プレイ時間と学年差
内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」(2023年度)によると、小学生の平日ゲーム平均プレイ時間は約60分。ただし学年間で差があり、低学年では短く、高学年になるほど長くなる傾向が見られます。
夫:「うちの子は30分でやめてるし、平均より全然少ない」
妻:「それにYouTube30分が加わってるんだけど。合計で1時間超えてるよ」
ゲーム単体の時間だけを見ていると、他のスクリーンタイムと合算した際にガイドラインを超えていることがあります。管理するならスクリーンタイム全体を合算して考えることが重要です。
習い事のある日とない日の差
宿題・習い事がある日とない日では自由時間が大きく異なります。同じ「60分まで」のルールでも、習い事がある日の60分と休日の60分では意味が変わります。平日の中でも曜日ごとに上限を変えるか、「宿題・習い事が終わってから残り時間の中で○分まで」という設定にするかを検討する価値があります。
実際のところ、習い事から帰ってきて夕食・入浴・宿題をこなすと、ゲームができる時間は30分もないという曜日も出てきます。そうした現実を踏まえると、「平日は毎日同じ上限時間」ではなく、「宿題と入浴が終わって就寝まで1時間以上ある日だけゲームOK」という条件型のルールが合理的な場合もあります。
学年別の目安時間
学年別推奨目安(平日)
| 学年 | ゲーム時間の目安 | 考え方 | |------|--------------|-------| | 小学校低学年(1〜2年) | 20〜30分 | 集中力の持続時間が短く、終わり際の切り替えも難しい | | 小学校中学年(3〜4年) | 30〜45分 | 自己管理の練習を始める時期。タイマー操作を自分でさせる | | 小学校高学年(5〜6年) | 45〜60分 | 宿題量も増える。合計スクリーンタイムを意識した管理へ |
この数字はあくまで目安です。宿題量・睡眠時間・翌日の体調などを加味してふたりで設定してください。
「時間の長さ」より「終わり方」が重要な理由
研究では、ゲームの急な強制終了が不機嫌さや入眠困難につながりやすいことが指摘されています(Przybylski & Weinstein, 2017, American Journal of Psychiatry)。同じ45分のゲームでも、「5分前に予告してセーブポイントで終わる」のと「突然電源を切る」のとでは、その後の子どもの状態が大きく違います。
終わり方のルール案:
- ゲーム開始前に終了時刻を子ども自身に確認させる
- 5分前に声かけをする(親からでも、タイマーアラームでも)
- セーブが難しいゲームはプレイリストから外すか、区切りのいい場面まで待つ
- 終わった後すぐ次の活動に移れるよう、夕食や入浴などの予定を先に伝えておく
夫婦で同じ基準を持つための合意手順
ステップ1:現状把握からはじめる
ルールを作る前に、現状のスクリーンタイムを1週間記録します。ゲーム・YouTube・タブレット学習・スマホ操作など種別ごとに分けると実態が見えやすくなります。「思っていたより多かった」という発見がふたりの議論のスタートになります。iOSの「スクリーンタイム」機能やAndroidの「Digital Wellbeing」を使うと自動で記録できるため、手間なく可視化できます。
ステップ2:互いの「許容範囲」を先に言語化する
「何分が適切か」を数字で話し合う前に、それぞれの許容範囲を確認します。
- 「これ以上は困る」という上限時間
- 「これくらいなら問題ない」と感じる時間
- ルールを守れなかった場合に困ること(睡眠・宿題・機嫌など)
ふたりの答えがどこで重なるかを確認してから数字を決めると、合意が長続きします。「自分は45分でいいと思う」「私は30分が上限」という場合、まず「なぜそう思うか」を話すことで、背景にある心配事が見えてきます。
ステップ3:数字とルールをセットで子どもに伝える
「明日から平日は45分まで」と時間だけ伝えると、子どもは「なぜ45分か」がわからず納得しにくいです。「ゲームも動画も含めて2時間というルールがあるから」「9時に寝るためには7時にはやめる必要があるから」など、理由をセットで伝えることで子どもの納得度が上がります。また、子どもが「なぜ?」と聞いてきたときに、ふたりが同じ答えを返せるよう事前に言葉をすり合わせておくと、子どもへの一貫性が保てます。
よくある質問
Q. 夫婦で目安の時間が合わない場合はどうする?
意見が割れる場合は、まずガイドライン(日本小児科学会の「1時間以内」)を共通の基準点として持ち出すと話が整理しやすいです。「自分の感覚」ではなく「専門機関の推奨」を参照点にすることで、どちらかが折れる形ではなく「基準に合わせる」という着地ができます。
Q. 守れない日が続いた場合、ルール自体を見直すべきか?
守れない理由を先に分析することをおすすめします。「時間が短すぎる」「終わり方のルールがない」「ペナルティがない」など原因によって対策が変わります。ルールを緩める前に、まず構造を見直してみてください。
Q. タブレット学習もゲームと同じ扱いにするべきか?
学習目的のアプリはWHOガイドラインの「娯楽スクリーンタイム」には含まれません。ただし、学習アプリとゲームが同じデバイスに入っていると切り替えが発生しやすいため、デバイスを分けるか、学習モードと娯楽モードで時間帯を分けるのが現実的です。
Q. 子どもが自分でタイマーを管理できる年齢はいつから?
小学校3年生(8〜9歳)ごろから、自分でタイマーをセットして終了する練習を始めるのが一般的です。最初は親が一緒に確認しながら行い、徐々に自己管理に移行していくステップが有効です。
Q. 就寝前のゲームはどの程度避けるべきか?
日本睡眠学会は、就寝1〜2時間前のブルーライト暴露が入眠を妨げる可能性を指摘しています。特にアクション・対戦ゲームは興奮状態が続きやすく、就寝1時間前までには終了することが推奨されます。夕食・風呂・就寝の時間から逆算してゲーム終了時刻を決めると整合性が取りやすいです。
まとめ
- ガイドラインを基準点に:日本小児科学会「ゲーム1時間以内」・WHO「娯楽スクリーン2時間以内」を参照する
- 学年と生活リズムに合わせて設定:低学年は30分以内から始め、高学年で最大60分を目安に
- 終わり方のルールが時間より重要:5分前予告とセーブポイント終了をセットで習慣化する